俳優哀川翔(54)が飼育したカブトムシが、世界最大88・0ミリを記録したことが15日、分かった。この日、東京・中野の昆虫ショップ「むし社」で正式な計測が行われ、従来の記録を3年ぶりに0・7ミリ更新。哀川は「ギネスに申請したい」と声を弾ませた。

 「昆虫アニキ」の哀川が、世界一になった。自身で「むし社」に持ち込んだカブトムシの個体を飯島和彦店長が慎重に計測。角を水平に押さえ込んだ先端から、尾部までの長さがデジタル式のノギスに「88・0」ミリと表示された。

 従来の記録は11年7月に奈良県で採取された個体が12年に記録した87・3ミリ。日本記録を3年ぶりに0・7ミリ更新する快挙に哀川は、歓喜した。

 「やった! おふくろに電話しちゃおうかな(笑い)。でも、俺じゃない。こいつがすごいんだ」

 近年、カブトムシは海外から輸入された種(ヘラクレスオオカブトなど)が人気だが、日本産のカブトムシの日本記録=世界記録となり、哀川は「ギネスに申請だ」と笑顔を見せた。飯島店長は「日本国内で毎年、何十万、何百万というカブトムシが羽化している中の頂点、間違いなく日本一です」とお墨付き。その上で「ただ、カブトムシのシーズンのピークは、梅雨が明けてから。今季中に上回る個体が出るかもしれません」と説明した。

 哀川は、自宅と茨城に借りている飼育所で毎年5000匹のカブトムシを羽化させている。5日前に茨城で羽化した個体が今回、記録を更新した。「羽化したてでブヨブヨの時からデカいと思って、自信はあったけど、固くなると縮まったりするからね。ちゃんと計測してもらうまでは不安もあった」と話した。

 カブトムシ飼育に熱を入れるようになってからは13年。哀川はカブトムシの魅力を「フォルム(形)に尽きる。角があって戦いの象徴。甲虫だからよろいを着ているようなもの」と言い、「これをきっかけに、俺が子どものころみたいに、子どもたちが、『カブトムシを飼いたい』って思ってくれれば」と笑った。【小谷野俊哉】

 ◆カブトムシ 日本の本州から沖縄本島にかけて生息しており、「昆虫の王様」と呼ばれる。オスの頭部には角がある。大きさは、幼虫時の栄養状態の優劣で決まる。80ミリ以上の個体は出にくい。ホームセンターでは、500~1000円くらいで売っている。哀川の飼育した成虫のオスとメスのペアは、通販で1200円程度で購入できる。世界最大88・0ミリの個体について、「むし社」では「値段はつけられない。オークションの対象としては、いい値がつくと思う」と説明している。