井上陽水(67)が美声にほれ込んだ歌姫がいる。シンガー・ソングライター沢田かおり(30)だ。1月にシングル「幸せの種」でメジャーデビュー、初アルバム「Songwriter」を来月4日に発売する。

 一方で、昨年の陽水の全国ツアーにコーラスメンバーとして初参加し、今年のツアーにも参加している。大御所の背中を見ながら立つステージで、観衆をひきつける力や選曲センスなどを学んだという。陽水から音楽的な助言も受けた。「自分は今、こういう音楽を聴いている」と言って勧められたのが、女性ジャズピアニスト、ダイアナ・クラール(50)。邦楽では、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」もお気に入りと紹介された。「ピアノ曲から若い世代が聴く音楽まで、本当にいろんな曲にアンテナを張っている。その言葉からチョコチョコとヒントをいただいています」。

 3歳からピアノに親しみ、高校卒業後に渡米し、ボストン・バークリー音楽院で作曲を学んだ。在学中からMISIAや柴咲コウらに曲を提供した。100以上のCM曲も手掛けた。放送中のJA共済CMで流れている曲「つぼみ」は作詞、作曲と歌唱も担当。その歌声を多くの人が耳にしている。

 初アルバムの収録曲「君がくれたもの」が、米女優ヒラリー・スワンク(41)主演の米映画「サヨナラの代わりに」(11月7日公開)のイメージソングに決まるなど、ファン層を広げる好機を迎えている。「おばあちゃんになっても歌っていたい」。目指すは息長く愛されるアーティストだ。【松本久】

 ◆沢田(さわだ)かおり 1985年(昭60)8月17日、米ワシントン州シアトル生まれ。東京都杉並区で育ち、桐朋女子高校卒業後、05年に渡米。ニューヨーク・ブルックリン音楽院でボーカルレッスンを受け、バークリー音楽院卒。帰国後、伊藤園、ユニクロ、東芝LED電球など多くのCM曲を手掛けた。13年にMISIAの全国ツアー、14年に井上陽水の全国ツアーにコーラスで参加。血液型A。