NHKが人気報道番組「クローズアップ現代」(月~木曜午後7時30分)の内容を4月から一新し、国谷裕子キャスター(58)を降板させる方針を固めていることが8日、分かった。番組は「報道ステーション」の真裏となる午後10時開始の枠に移動し、タイトルも「クローズアップ現代+(プラス)」に変更する。

 関係者によると、NHKは昨年末までに番組リニューアルの方針を固め、国谷さんの降板にともなう後任は局内から選ぶことで調整しているという。視聴者から信頼と好感がもたれる人材を選ぶ中、アナウンサーだけでなく、報道系記者も視野に入れて人選している。各番組のキャスターを決めるキャスター委員会が今月中に開かれ、2月上旬には正式発表される。

 番組は93年にスタート、国谷さんは番組開始時からキャスターを務めるが、1年契約で出演していた。

 同番組をめぐっては昨年、取材記者によるやらせ疑惑が指摘され、NHKが過剰演出や誤解を与える編集があったとする報告書を発表した。また、安保法制の最中、ゲスト出演した菅義偉官房長官に国谷キャスターが厳しい質問を繰り返したことから、その後、首相官邸がNHKにクレームを入れたと一部で報じられ、それを菅官房長官が否定したこともあった。