俳優本木雅弘(50)が15日、東京・TOHOシネマズ新宿で、14日から公開中の主演映画「永い言い訳」(西川美和監督)の公開記念舞台あいさつに出席し、「夫婦共演」が実現せず無念さを口にした。

 妻役の深津絵里(43)とは、95年のフジテレビ系ドラマ「最高の片想い」以来の共演とあって、同席を期待していたが、この日は深津は欠席した。本木は「20年ぶりに絵里様と再会を果たした。今日の晴れの日に『おめもじ』できるかと思いきや、天の岩戸を開けてはくれませんでした」と、独特の言い回しで恨み節をこぼした。それでも、「ぶれない(役名の)夏子、深津ちゃんが大好き。70代、60代になってから老年カップルとしてブイブイいちゃつきたい」と、夫婦役での再共演にラブコールを送った。

 夫婦愛に冷め、妻の事故死を悲しめないタレント作家が、妻と一緒に死んだ友人の残された家族と徐々に心を通わせていく物語。本木にとっては「おくりびと」以来7年ぶりの映画主演で、「先日、名残惜しくて、竹原さんのライブに行ってしまいました。10月30日にBSプレミアムで放送されます。私もちょこっと出てます。ナレーションは池松壮亮さんです」と、番組PRも兼ねて作品への愛着を明かした。

 撮影は昨年、約1年かけて行われた。劇中で本木が面倒を見る友人の子供役の藤田健心(12)白鳥玉季(6)も出席。藤田は「できあがった映画を見て、一番驚いたのが自分の声です。今、低いんですよ。あぁ…って思ってます」とすっかり声変わりした声で笑わせた。白鳥は「みんなで頑張ってどれだけ頑張って作ったか、感じながら見てくれましたか?」と客席に呼びかけた。西川監督は「撮影中、『お父さんのいとこです』というせりふが言えなかった玉季ちゃんが、自分で考えてきて、長々とおしゃべりできるようになった。こうやって成長するのを見詰めながらスタッフ、キャストも勉強して、大人になれた現場だと思う」と感慨深げに話していた。

 撮影を通じて本木と意気投合した竹原ピストル(39)は、池松らとも仲良くしている本木に嫉妬心を燃やした。本木から「(竹原が)本妻、(池松は)愛人」と明かされると、竹原は「まあ、いいか」と照れ笑いを浮かべた。

 作品はイタリア・ローマで13日から開催中のローマ映画祭に出品されることが決まった。本木と現地で公式上映などに出席する西川監督は、「これがヨーロッパプレミアとなり、初めて見ていただける機会になる。しかと見届けて来ます」と話した。