演歌歌手福田こうへい(40)が3日、宮城・名取市の「ゆりあげ港朝市」で、東日本大震災からの復興支援無料ライブを行った。岩手出身の福田は、震災で多くの友人や知人を亡くした。11年3月の震災直後から、県内の避難所などで慰問ライブを実施。12年のメジャーデビュー後も被災地を毎年訪れ、この日は宮城県に初めてかけつけた。

 「元気だった? 元気だったば、よがったぁ~」。親しみのある“お国なまり”で約1500人に語りかけてライブがスタート。デビュー曲「南部蝉しぐれ」や新曲「北の出世船」、民謡「津軽じょんがら節」など7曲を披露し、「自分は演歌と民謡の二刀流。野球界でいえば(投手と野手の)大谷翔平です」とトークでも盛り上げた。

 「北の-」は発売から約2カ月で早くも販売9万枚を突破。14年以来、2年ぶりのNHK紅白歌合戦出場への期待も高まっている。「被災した人たちの応援を思うと、『出たい』というよりも、出て恩返しをしないといけないなという『使命感』みたいなものも感じます」。震災から5年8カ月。被災地のファンに、年末への強い決意を語った。【松本久】