俳優内藤剛志(61)主演のテレビ朝日系連続ドラマ「警視庁・捜査一課長 シーズン2 ヒラから成り上がった最強の刑事!」(木曜午後8時)が、13日にスタートする。

 12年から2時間ドラマ、昨年4月に連ドラ、そしてシリーズ2作目。ドラマと同じく、脇役から主役へとステップアップしてきた内藤に聞いてみた。

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 12年から2時間スペシャルで5作、昨年4月期に連ドラ、そして今年は連ドラのシーズン2。

 「僕らとしてはチャンスが大きくなったと思うので、全く気後れはなかった。ただ、1年に1本撮るというやり方だったんで、毎週やるっていうのはどういう事かっていうのを、もう1回みんなで考えなおす時間は必要だった。ドラマやる機会を与えていただく事に関しては、多い方がいいに決まってるんで、単純にうれしかった。ただまあ、形は変えないとは、思っていました。1時間、毎週見てもらって、飽きないようにするためには何かなっていうのは、ずっと思っていました」

 シーズン2は最初から決まっていたわけではなかった。

 「もちろん違います。うれしいんですけども、やっぱり連ドラの1作目に関していうと、どうだろう? っていうふうに。見ていただける。ある種、ご祝儀みたいなところがあるんですね。ですからシーズン2っていうのは、それは本当に面白かったのか、また続けて見たいという事に値するのかを、もう1回突きつけられるんだと、僕は思っている。だから本当の意味で、まあ、何て言うんですかね、成績じゃないですけども、本当に面白くないと、3、4と続いていかないと思う。だから、連ドラ1作目の時とはまた、ちょっと気持ちが違います。まあ、面白く作るって事に対しては変わりはないんです。ただ、緊張感っていうのはあるんです。本当に面白いかどうかを証明しなきゃいけないぞ、っていうのがありますね」

 捜査一課長は警察の花形だ。ただ、エリートではない。知能犯罪を追う捜査二課長がキャリアのポストであるのに対して、現場からのたたき上げが就く。内藤が演じるは、400人の部下を率いる捜査一課長、大岩純一だ。

 「ある種、理想の男だと思うんです。こんな人がいたらいいなと思うし、例えば上司であったり、旦那さんであったりとか、まあ、部下でも何でもいいですね。僕との距離でいえば、もちろん違うんだけども、そういう人でありたいと思います。やはり、理想の男だと思いますね」

 自身も俳優としてたたき上げだ。

 「冗談で、金田明夫(捜査一課庶務担当管理官・小山田大介役)と言ってるんですけども、ヒラから成り上がったでしょ。僕たちは(その他大勢の)ガヤから成り上がったっていうか、ぺーぺーの役者だったんですよ。本当に一言、二言のせりふからここまで来るっていう意味では、それこそ上しか見てなかったし、いつか勝ってやると思っていた。そういう意味では、大岩さんっていうのは、地位だけじゃないですけども、自分が上に行くっていう事を目指したという意味では、初めから恵まれてたわけじゃないわけですらかね。僕も全然、スター候補でもなんでもなかったですから。もちろん今でもスターではないんですけども、ただヒラから成り上がったっていう事で言えば、俳優の、まさに僕の人生もそうだっていう風には僕は思います。共通点というにはおこがましいですけどね」

 これが刑事役の35作目。オファーの8割が刑事役だ。

 「正確に言うともっと多いかもしれません。大体ですね」

 20年前くらいは、逆に犯人役や怪しい役を演じていた。安達祐実主演で、最高視聴率37・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した94年の日本テレビ系「家なき子」では、酒浸りで暴力をふるう父親を演じた。犯罪者から更生して、捜査一課長へと上りつめた。

 「あの、誤解のないように、悪役の方が刑事よりも下、っていう意味ではないですけどね。そういう意味では、確かにいろいろなところから行って、正義の頂点のところに上がった。でも、悪い、犯人役っていうのは興味はありますよ! 常にあります」

【小谷野俊哉】