武井咲(23)が松本清張作品に初挑戦することが17日、分かった。7月スタートのテレビ朝日系連続ドラマ「黒革の手帖」(木曜午後9時)に主演する。清張作品の中でも人気が高く、これまで何度もドラマ化され、山本陽子(75)大谷直子(67)浅野ゆう子(56)米倉涼子(41)ら人気女優が主演してきた作品。

 主人公は、親の借金を背負い、銀行で派遣社員として働いていたが、銀行から横領した1億8000万円を元手に銀座のクラブママとなり、野望を実現させるため、夜の世界でのし上がっていく悪女だ。武井は「最初はやりたくないと思いました。これだけの大作の主演が自分に務まるのかと。だけどいざ始動してみると楽しみのほうが多い。正義の役が多かったので、こういう役をやってみたかった」と初挑戦となる悪役に意欲的に取り組んでいる。

 地味な銀行員とクラブのママと振り幅の広い役どころとなる。「お酒は結構飲めますから」と笑うが「一味違う役をやれるのが、女優の醍醐味(だいごみ)。自分の成長につながればいい。2つの顔をうまく演じたい」と張り切っている。

 武井にとって所属事務所の先輩にあたる米倉は、同ドラマで女優として高い評価を得た。代表作とも言える04年放送の作品は、平均視聴率15・7%、最高視聴率は17・7%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。武井は「米倉さんとお食事をすると、芝居の話をしなくてもヒントがいっぱい。先輩の思いも背負って精いっぱいやります。もう1歩、上のステージに引き上げてくれる仕事。米倉さんに合格をもらえれば」と話している。