俳優、歌手として活躍する中山優馬(23)は魚に縁がある。

 以前から魚類学者でタレントのさかなクン(41)にどこか似ていると話題になり、2年くらい前からはジャニーズ・アイドルながら大阪出身らしいノリで「認めざるを得ない」と自らネタにもしてきた。

 先日のインタビューでは趣味の釣りについても聞いた。祖父に連れられて6歳の頃から親しんできた本格派で、その祖父の教えで釣った魚は必ず食べるというのが信条だ。ゲーム・フィッシング的な考え方とは一線を画し、一時は「高校卒業したら本気で漁師になろうと思っていました」という。

 今でも特殊な「結晶」の動きで翌日の天気を当てる「ストーム・グラス」を愛用品に、釣果に深く関わる天候にも気を配っている。さかなクンとアプローチは違うが、さかな愛の深さではいい勝負かもしれない。

 「だけど、ここまで来るとさすがにもう『漁師になりたい』という思いは消えましたね」とも。俳優としての実績は着実に積み上がり、特に舞台では文字通り水を得た魚のような活躍だ。

 東京・新橋演舞場で上演中の「にんじん」では37歳年上の大竹しのぶ(60)の兄役を堂々と演じている。「大竹さんのセリフ覚えの早さや空間支配力はハンパじゃありません」とその天才ぶりに驚嘆する一方で、その大竹からは「ちゃんとお兄ちゃんに見えるよ」とお墨付きをもらっている。

 6月のABKAI(市川海老蔵自主公演)では歌舞伎に初挑戦。海老蔵に「センスがいい。言ったことはすぐできる。(長男の)勸玄をジャニーズに預けようかと思うくらい」と言わしめた。

 学習能力の高さに加え、本人は人知れない努力を重ねているのだろう。それでもはた目には舞台の上を魚のようにスイスイ泳いでいるように見える。