フィリピン出身の女性歌手Beverly(ビバリー=23)が大ブレーク間近だ。今年春に放送された小栗旬(34)主演のフジテレビ系連続ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」の主題歌「I need your love」が各種チャートで1位を獲得。今月10日には、米歌手アリアナ・グランデ(24)の来日公演でサポートアクト(前座)を務め、世界の歌姫に実力を認められた。

 ビバリーは、グランデのファン1万6000人が見つめる千葉・幕張メッセのステージで「I need your love」などを熱唱した。後半は観客席から大声援が飛ぶなど短い時間ながら聴衆の心をつかんだ。「温かい声援や拍手をいただけて、興奮が冷めず、夢を見ているような感じでした」。出番後、バックステージに下りると、憧れのグランデと初対面した。姿が見えた瞬間、涙があふれてきた。「あなたのリハーサルも見ていたけど本当にすごかった。あなたなら、お客さんをびっくりさせること間違いないと思っていた」と言われた。記念撮影をしてハグした。「本当に幸せでした」。

 153センチと小柄ながら、力強く伸びのある高音ボイスが持ち味。4月に配信スタートした「I need-」は、音楽配信サイト「レコチョク」ランキング1位を記録後、11週連続でトップ10入り。上半期ランキングの新人歌手1位を獲得した。他の配信チャートなども1位になった。5月にアルバム「AWESOME」でデビューしてわずか3カ月。「曲が格好良いとかポジティブなリアクションをいただいて本当にうれしい」。

 フィリピン北部ルソン島で生まれた。4人きょうだいの次女で、いつも外で男の子と遊ぶ元気な少女だった。9歳のころ、テレビ番組を見て歌手に憧れた。ボイスレッスンを積んで歌唱コンテストに出場したが、10回以上落選した。それでも諦めず歌声に磨きをかけ続けた。

 昨年5月、MISIAやAIらを手掛ける音楽プロデューサー与田春生氏の目に留まって来日。日本デビューを目指してレッスンに励んだ。ある時、自分のライブパフォーマンスを偶然見た小栗がその才能にほれ込み、主演ドラマの制作関係者に推薦したことが主題歌採用につながった。「テレビから自分の歌声が聞こえてくると、うれしくて、その自分の歌声に合わせて部屋で一緒に歌っていました(笑い)」。

 デビューアルバム収録の7曲がタイアップに起用され、10月末までイベント出演など週末のスケジュールはびっしり。「行列のできる法律相談所」などバラエティー番組出演も増えた。「いつかは日本語の歌詞も書いてみたい。芸人さんのしゃべる言葉は分かりやすい。好きなのは出川哲朗さんです!」。

 大好きなMISIAやSuperflyとのコラボレーションも熱望し「日本武道館などで自分のコンサートをやりたい」。日本はもちろんアジア、そして世界で成功する夢もあるが「フィリピンの歌手がみんな目標にするのはマニラのアラネタコロシアム(1万6500人収容)。そこで歌って家族にも自分の歌を聞いてもらいたい」。【大友陽平】

 ◆Beverly(ビバリー)1994年6月20日、フィリピン・カランバ市生まれ。フィリピン人作曲家ベニー・サトルノ氏とトレーニングを重ね昨年5月に来日した。来月3日にスタートのテレビ朝日系「仮面ライダービルド」主題歌「Be The One」では、小室哲哉と浅倉大介のユニット「PANDORA」に参加する。