安室奈美恵(39)が17日、故郷の沖縄で25周年記念公演を行った。会場は宜野湾海浜公園の野外特設ステージ。5年前、同会場で20周年記念公演を予定していたが、台風直撃のため中止となった。この日も台風18号の影響が心配されたが、無事開催された。前日16日と合わせ5万2000人の観客動員は、沖縄で行った単独アーティストで過去最大規模。抜群の人気と存在感をあらためて示した。

 開演前、台風一過の青空に「奈美恵コール」が響いた。メモリアル公演だけに曲目も意識した。歌手として一気に脚光を浴びた「TRY ME~私を信じて~」でスタートさせ、92年9月16日発売のスーパーモンキーズのデビュー曲「ミスターU.S.A.」を22年ぶりに披露。当時と同じ振り付けという演出でファンを喜ばせた。沖縄での単独野外公演は初めて。「騒げ沖縄~!」とあおりながら「Don’t wanna cry」など歴史をたどるようにヒット曲を次々歌った。

 12年9月、開催予定だった20周年記念公演は台風の影響で中止になった。その後も安室やスタッフは、沖縄での大型ライブを模索する中「生まれ育った沖縄から、25周年をスタートできれば」という安室の強い思いもあって実現した。今回も大型台風が沖縄地方に接近。14日に予定したステージ上でのリハーサルの時間がなくなったが、他に大きな影響もなく当日を迎えた。安室も「台風の中、会場にもたくさんのファンの方々が来てくださって無事デビュー日に沖縄ライブができたことを心から感謝しています」。

 CD、DVDの売り上げは3700万枚を超え、10代、20代、30代と各年代でミリオン突破を達成するなど四半世紀にわたって不動の人気を誇ってきた。公演回数も690回、観客動員は合計410万人を超えた。25年間を「たくさんの方々に支えられてきた」と振り返り、「また新しい思い出が作れればうれしいです」と今後の活躍も約束。来月スタートのTBS系連続ドラマ「監獄のお姫さま」の主題歌「Showtime」の発表など音楽活動の充実は続く。故郷のステージは300発の花火で締めた。「また遊びに来てね。バイバーイ!」。明るく手を振り、記念イヤーをスタートさせた。【大友陽平】