アニメ「クレヨンしんちゃん」シリーズなどで知られる原恵一監督(58)が26日、東京・六本木アカデミーヒルズで行われた第30回東京国際映画祭ラインアップ記者会見(六本木ヒルズなどで10月25日開幕)に現在、制作中の新作のヒントになるTシャツを着て登場した。

 黄色いTシャツの胸の部分には、黒猫が描かれている。原監督は「今、新作の制作中。Tシャツは今作っている新作のヒント。いっぱい撮ってください」と言いながらジャケットを両手で大きく広げて、胸の黒猫の絵をアピールした。

 東京国際映画祭では、アニメーション特集「映画監督 原恵一の世界」が開催される。1987年(昭62)から89年までテレビ朝日系で放送された、同監督の監督デビュー作「エスパー魔美」から、第54話「たんぽぽのコーヒー」、第96話「俺たちTONBI」、88年の映画「エスパー魔美 星空のダンシングドール」が上映される。テレビシリーズの作品は、原監督の推薦で選ばれたという。

 原監督は特集上映について「人に見られて恥ずかしい作品は、1本も作っていないつもり。どの作品もキャリアの中で、とても大事にしている。中でも『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』(01年)は、僕のターニングポイントになった。海外のお客さんにどういう感想を持ってもらえるか楽しみ」と語った。

 また、今回で30回を迎える東京国際映画祭について聞かれると「コンペティション部門に、アニメーション作品も混ぜてくれる映画祭になればいい。そうなったら、僕の作品も入るように頑張りたい」と、今後への期待を込めた注文を付けた。【村上幸将】