今年で4回目となる「京都国際映画祭」が12日、開幕し、西本願寺で行われたオープニングセレモニーで、今年の三船敏郎賞は俳優浅野忠信(43)に決まり、発表された。

 俳優として世界的に知られた三船敏郎さんにちなみ「日本を代表する俳優」に贈られるもので、浅野は今年、「幼な子われらに生まれ」で、追い詰められた後に再起する父親役を熱演。それも高く評価された。

 受賞に臨んだ浅野は「大先輩の三船敏郎さんの名前がついた賞をいただけて、とってもうれしいです。光栄です」とあいさつした。

 浅野は三船さんにあこがれ、これまで「お会いしたことはない」と言いながら「何度か(心の中で)尋ねたことはあります」と吐露。役者としての壁にぶつかったとき、自問自答であこがれの大先輩に問い掛けてきたという。「勝手に『どうしたらいいですか』と聞いて、勝手に三船さんなら…と答えを出してきた。そのおかげで役者としてここまでこられた」と感慨深げだった。

 また、映画界への功績をたたえて贈られる「牧野省三賞」は、故新藤兼人監督の次男で、近代映画協会代表取締役の新藤次郎氏が受賞した。

 今年の映画祭アンバサダーに就いた岩下志麻(76)も臨席。京都では映画撮影などで長く滞在経験があり「京都は第2の故郷で大好き、京都の(撮影所)スタッフはプロ。すばらしい人たちの集まりでした」となつかしんでいた。