石原さとみ(30)が4年ぶりの主演舞台で異色の役柄に挑戦することが30日、分かった。舞台「密やかな結晶」(来年2月2日初日、東京芸術劇場プレイハウス)で、共演は村上虹郎(20)鈴木浩介(42)。映画化もされた「博士の愛した数式」などで知られる芥川賞作家小川洋子氏が94年に発表した同名小説の舞台化。

 物語の舞台は、前日まで存在していたものが、翌日には記憶も含めて消滅してしまうという不思議な島。そこに住む小説家「わたし」と、「わたし」を温かく見守り、永遠に見た目が20歳の「おじいさん」、さらに記憶が消滅しない特殊能力をもつ編集者「R氏」の3人が織り成す奇妙な三角関係が描かれる。石原が「わたし」、村上が「おじいさん」、鈴木が「R氏」を演じる。わたしに島で平和に暮らして欲しいと願うおじいさんと、わたしに人間本来の記憶を取り戻してほしいと願うR氏が、それぞれの正義感でわたしを正しい方向へ導いていく。

 石原は「ここ何年もずっと舞台への思いを強く持っていたので心からうれしく思います!」といい、「原作を読み、ぜひこれを舞台化して演じてみたいと思い、お願いした作品です」と舞台化を熱望した作品だったことを明かした。異色の設定だが、「記憶が消えてしまう恐怖と悲しいくらいの柔軟性、そして大切な人を守ることで抱く忘れたくない感情を、舞台上でどう感じられるのか、今から楽しみで仕方ありません」と意気込んでいる。

 村上は初共演の石原について「いつも画面の向こう側にいてキラキラしてる存在。ご一緒できるのは楽しみ」と話している。