ABCラジオ「おはようパーソナリティ中村鋭一です」で人気を博した関西の名物パーソナリティー、故中村鋭一さん(享年87)の告別式が10日、大阪府吹田市内で行われ、中村さんと同じパーソナリティーの浜村淳(82)、中村さんが愛した阪神タイガースの元監督、吉田義男氏(84)の“山城高校先輩・後輩コンビ”もそろって参列した。

 ABCとはライバル局のMBSラジオで「ありがとう浜村淳です」を74年にスタートさせ、今なお放送を続ける浜村は「しんどいで、やめときや。まあ、でも、しんどいのを楽しんだらええ」と、中村さんからアドバイスをもらったと懐かしそうに明かした。

 浜村は「東の大橋巨泉、西の中村鋭一やった」と、後に同じ事務所に所属することになった先輩をしのび、「私はほめられたことは一度もない。でも、及ばずながら、後を継いでいきます。中村さん、まだまだ呼ばんといてください」と、さらなる活躍も誓った。

 中村さんは熱心な阪神ファンで、番組の中で、タイガースへ傾倒した放送を貫いた。野球中継の担当もし、浜村の先輩、吉田氏は遊撃を守っていた現役時代からの知り合いだった。

 吉田氏は「あんなに熱心に応援してもらって、六甲おろしを広めてくれてね。今日の阪神タイガースが全国区になったんは、中村さんのおかげ」と、タイガースのOBとして感謝した。

 吉田氏とも同僚だった元エースの小山正明氏とも中村さんは親交があり「小山ともよう釣りに行ってたな。私とはよくゴルフに行った」と、多趣味、多才だった中村さんをしのび「中村さんが亡くなって、ひとつの時代が終わった。そういう気持ちです」と話していた。