女優松岡茉優(22)が1日、大阪市内で初主演映画「勝手にふるえてろ」(大九明子監督、23日公開)の取材会を行った。芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を映画化。恋愛に臆病な主人公ヨシカを演じる松岡は「同世代の女の子たちには綾小路きみまろさんの漫談を見る気持ちで劇場に来てほしい」と呼びかけた。

 ヨシカは、ひねくれていて自分勝手で夢見がちな24歳のOL。中学校の同級生「イチ」へ10年間もの脳内片思い中。松岡はヨシカの脳内について「濃度こそ違えど、すべての女の子が持っている暴れ具合、鬱屈(うっくつ)具合だったりする」と説明。あでやかな恋愛映画とは対極的なヒロインだが「原作も拝読しましたが、女の子の応援歌のような、こういう思いを持った女の子たちが報われてほしいと思えるような作品です」と話した。

 映画初主演となるが「大九監督とは(映画が)3度目ですが、初めは初主演という事の重大さにはピンと来てなかった。でも監督とは波長が合うし、言葉遣いも似ている。監督となら初めての主演作品をやりきれると思った」と振り返った。

 ヨシカのとっては人生初の告白を受ける相手となる会社の同期の「ニ」を演じる黒猫チェルシーのボーカルで俳優渡辺大知(27)も出席。「台本をもらったときに『ああ、オレはヨシカだ』と思った」。女子だけなく男子もヨシカの内面に共感できるところがあると打ち明けた。同映画は今年の東京国際映画祭で観客賞を受賞した。