深紅のドレスで華やかに登場した蒼井優(32)は「いただいたお仕事と向き合って15、16年歩んできました。1度も仕事が途切れることなく、蒼井優と一緒に仕事をしてもいいと思ってくれる人たちがいてくれてうれしいです。1歩1歩前を向いて頑張っていきたい」と、心を込めて語った。

 作品では、自分勝手で自堕落な生活を送り、不器用ながらも精一杯人を愛し続けた女性を力強く演じた。審査員一同から「嫌われる女とその奥底にあるものをしっかり表現した」と高い評価を受けての受賞。蒼井は「嫌な女を演じる怖さはありますが、お客さんに自ら嫌われる勇気をどれだけ持てるかを大切にした」と話した。

 表彰盾は、昨年の同賞受賞者である女優宮沢りえから贈られた。プライベートでも親交が厚いだけに、舞台袖から宮沢が登場すると、満面の笑顔で出迎え、ステージ上で抱き合った。宮沢は蒼井について「いつもは男前なので、きょうはとてもきれいでドキドキします。舞台でご一緒したのですが、役を生きることに徹する潔さが男前」と祝福した。

 お祝いの花束は、白石和彌監督から送られた。白石監督は「僕の想像の斜め上をいく芝居をみせてくれた」と話した。