東京・歌舞伎座で1日、松本白鸚(75)松本幸四郎(45)市川染五郎(12)の高麗屋3代襲名披露公演「二月大歌舞伎」が初日を迎えた。

 夜の部「寿三代歌舞伎賑(ことほぐさんだいかぶきのにぎわい)」は、芝居小屋の前に大勢が集まって祝いの言葉を述べるという筋立て。舞台と両花道に、坂田藤十郎、尾上菊五郎、中村吉右衛門、中村梅玉、片岡仁左衛門、坂東玉三郎ら俳優56人がずらりと並ぶ豪華な演目となった。

 幸四郎は「皆さんにお出迎えいただき、また多くのお客さまにお越しいただきましたのは、私の妄想にも見ぬ、夢のようでございます」と大喜びし、観客を沸かせた。

 口上で、幸四郎は「芸道未熟、不鍛錬にはございますが、自分のつとめます芸が、歌舞伎のため、歌舞伎の力となることを信じて、一翼を担うことを目指して、歌舞伎職人になる覚悟でございます」と、あらためて決意を述べた。

 幸四郎は昼の部「一條大蔵譚」で一條大蔵長成、夜の部「熊谷陣屋」で熊谷次郎直実を演じている。先月演じた「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ) 車引」の松王丸、「勧進帳」の弁慶とを合わせた4役を目指す役者になりたいとしており「一番高いハードルで始めさせていただきました」と話している。

 公演は25日まで。