今年のアカデミー賞でメーキャップ賞を受賞した辻一弘氏(48)が帰国し、20日、都内で会見した。

 「授賞式は目の前に有名俳優がずらりといるし、早くスピーチを終わらせることばかり考えていてほとんど覚えていない」と振り返った。現在の本業、彫刻家の目から見て「オスカー像のデザインは長く続いているだけあって素晴らしい。思っていたより重かった」という。

 対象作「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(30日公開)では、ゲイリー・オールドマン(59)も主演男優賞に輝き、2冠。「映画の仕事からは離れていたが、ゲイリーに『君がやらなければ、この仕事は受けない』といわれた。ゲイリーとチャーチルはまったく顔の形が違う。挑戦だった」。

 世界の各賞でノミネートされた2人は何度も授賞式で顔を合わせ「アカデミー賞を取ったら、そろって引退だね」と冗談を交わしていたという。

 映画メーキャップから引退、彫刻家として活動に集中する決意は変わらないが「よほど面白い映画だったら考えたい」。ロサンゼルス在住の生活は続けるが、「2020年に日本で個展を開きます」と五輪イヤーの計画を明かした。