松田翔太(32)が1日、東京・イイノホールで行われた配信ドラマ「SPECサーガ完結篇 SICK’S 恕乃抄~内閣情報調査室特務事項専従係事件簿~」(堤幸彦監督)完成披露舞台あいさつで、劇中に登場するカブトムシの幼虫が、カブトムシ飼育で有名な哀川翔にもらって、自ら育てたものだと明かした。

 劇中では、舞台となった内閣情報調査室特務事項専従係(特務)の部屋で、カブトムシの幼虫が10数匹、かごなどの中で飼育されている様子が出てくる。その幼虫について、松田は「哀川翔さんにいただいたカブトムシ。“哀川翔セット”をいただいて、育てたら27匹くらいに増えて(卵を)生んだらメスが死ぬんです。そうしたら哀川さんに『死んだら言って』と言われて…。おふたり(堤監督と植田博樹プロデューサー)に話したら、シーンに」と、自ら育てたカブトムシの幼虫が撮影に使用されたと明かした。堤監督も「渡りに船だった」と幼虫の使用は歓迎だったことを明かした。

 松田は「いざ、僕も32になって、家にちっとも動かない虫がいるの、何なんだろうなと。でも命を大事にしたいと…これ、どうにか使えないか? と言ったら(ドラマで使われた)。まだ、僕の家にちっちゃいの、6匹ほどいます」と現在も飼育していることを明かした。主演の木村文乃(30)から「太らせられると言ったら、才能あるんじゃないですか?」と突っ込まれると、苦笑した。

 「SICK’S 恕乃抄-」は、TBS系で放送され、映画化もされた「ケイゾク」、「SPEC」に続く新シリーズとして、1日からスタートした新動画配信プラットフォーム「パラビ」で独占配信がスタートした。「ケイゾク」、「SPEC」は警察が舞台だったが、今作は内閣情報調査室特務事項専従係(特務)が舞台。さまざまな能力を持つスペックホルダーをめぐり、国家や宗教団体がそれぞれの組織の都合で争いを始め、戦いに発展する物語だ。人類が進化を追い求め、生み出されたスペックホルダーをめぐって争いを求め続けてしまう、人類の「病み」が大きなテーマとなる。

 木村は、ハーバード大卒の天才ながら、自傷癖があり入院中の特務係員・御厨静琉役を演じる。役どころについて「三重人格くらいと言われていたけれど四重、五重人格くらいの人。頭が良いクレイジー」と説明した。撮影については「堤さんとの撮影は3回目。大変じゃないわけじゃない。その場でどうレスポンスするかも面白さにつながる。大変さより、みんなにストイックさがあった現場」と振り返った。

 松田は公安部を追われた元刑事の高座宏世を演じる。「堤監督の世界観の中で、真っすぐな高座をやれたと思います。未知の世界に入っていく役。撮影を通じて特殊な世界に入っていく感じ」と語った。

 この日は「ケイゾク」、「SPEC」で元捜査一課弐係係長・ゴリさんこと野々村光太郎を演じ、今作では光太郎の弟で内閣情報調査室特務事項専従係係長の光次郎を演じた竜雷太(78)も登壇した。【村上幸将】