元宝塚歌劇団の星組娘役スターで、6月3日に歌手デビューする有沙瞳(32)のアーティスト写真などがこのほど公開された。

デビュー曲は「さよならは黄昏に」(作詞・朝倉翔、作曲・大谷明裕、編曲・竹内弘一)。

愛する人との別れを予感したヒロインが、相手の言葉をさえぎり、黄昏(たそがれ)の人並みに姿を消すストーリー。

悲恋だが、ノリのいい曲調の歌謡曲で、前向きな失恋ソングだ。

公開されたアーティスト写真は、シャンパンゴールドのドレス姿で、アップスタイルの髪にティアラ(頭を飾る装飾品)を載せた元宝塚娘役らしいビジュアルである。

ジャケットには、そのスタイルで窓辺にたたずむ写真が使われている。

有沙は「今までの宝塚でのイメージもちゃんと残しつつも、歌手としてお届けする新しい有沙瞳は新人ですので、スタートにピッタリのビジュアルになったのではないかと思います!」とコメントしている。

有沙は三重県鈴鹿市生まれで、12年に宝塚歌劇団に98期生として入団。雪組、星組で数々の作品のヒロインを演じるなど、12年間在団した。

23年に退団後、舞台を中心に活動してきた。念願の歌手デビューとなる。

有沙は「人前でしゃべるのが苦手で、(心配した)おばあちゃんがカラオケ喫茶に連れて行ってくれて。そこで歌って、おじいちゃんやおばあちゃんが喜んでくれるのがうれしくて。人のためになれるかもと、初めて描いた夢が歌手だったんです」という。

演歌を習ったこともあり、十八番は「天城越え」(石川さゆり)だった。

宝塚退団後、現在の長良プロダクションに所属することを決めたのも、演歌に強い事務所だったことが一つの理由だった。

宝塚時代には歌唱力がなければ抜擢(ばってき)されない「エトワール」(フィナーレで最初に大階段で歌唱する大役)も経験した。

だが宝塚での歌唱と歌手は全然違うという。

「歌を届けることには変わりはないんですけど、役で歌うのと、有沙で歌うのでは、鎧(よろい)がないまま歌う感覚です。心に自分自身の芯がないとぶれてしまう気がします」。

6月15日には、午後1時30分から東京・渋谷のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで「有沙瞳 デビュー記念ライブ」を行う。

さらに同日午後6時30分から、同所で「有沙瞳 芸能生活15周年記念コンサート~終わりのない この道~」を開催する。

「見た目は宝塚で学ばせていただいた品、透明感をこれからも残しつつ、歌手としてはちゃんと実力をつけて、皆様に寄り添える、元気になっていただける歌手となれるよう、頑張りたいです」。

当面は歌手と俳優の“二刀流”で活動する。宝塚歌劇団出身の人気歌手は、越路吹雪、朝丘雪路、小柳ルミ子、真琴つばさら数多くいる。そこに有沙瞳の名前も加わることになりそうだ。

【笹森文彦】