NHKの有働由美子アナウンサー(49)が、3月31日付で、同局を退社していたことが今月3日、分かった。海外取材など現場への強い思いが理由という。退社前日には8年間メインキャスターを務めた「あさイチ」を卒業したばかりで、電撃的に局を離れた。現段階で芸能事務所に所属していないが、週内には早くも、NHKの仕事で海外取材に向かい、退職後の初仕事をこなす。

 さっぱりして飾らない人柄でお茶の間の視聴者の共感を呼び、国民的知名度と人気を誇る有働アナが、人知れず同局を去っていた。

 10年の番組開始から8年間メインキャスターを務め、こよなく愛してきた「あさイチ」を3月30日をもって卒業。その翌日の退社だった。有働アナはNHKを通じ「以前から抱いていた、海外での現場取材や興味ある分野の勉強を自分のペースで時間をかけてしたいという思いが捨てきれず、組織を離れる決断をいたしました」とコメントし、NHKへの謝意も記した。今後については「今後、有働由美子という一ジャーナリストとして」という表現をした。

 関係者によると、6月放送予定のNHK・BSプレミアムのドキュメンタリー「世界プリンス・プリンセス物語」の収録のため、週内には早くもヨーロッパに向かうという。これまでも池上彰氏と出演していた特番だが、NHK退職後の初仕事となる。今後もNHKの仕事は個人として出演する予定という。

 電撃的な退職となったが、同局関係者によると、退社の主な理由は「あさイチ」卒業が直接の理由ではなく現場への強いこだわりだという。「あさイチ」卒業後は、管理職としてのデスクワークや不定期の大型特別番組への起用が予想されていた。有働アナは、常に現場で仕事をしていないと気が済まないタイプ。レギュラー番組がない状態は、陽気で明るく、元気な有働アナが、自分らしさを失ってしまうと指摘する。

 また、07~10年までアメリカ総局に勤務した経験から、番組を仕切る仕事だけではなく、ジャーナリストとして海外における取材活動をすることにも強い関心があったという。

 好きな現場の仕事が今後はこれまでのようには望めない。そんな将来を鑑みつつ一方で、27年間勤め、自身を育て成長させてくれたNHKへの恩と愛着もある中、悩んだ末に昨年末までに退職の決意をしたようだ。今年1月中旬に、退職の意向を同局に伝え、円満退社となったという。

 一方、一部で交際が報じられた5歳年下の実業家との結婚の予定はないという。有働アナをめぐっては、アメリカに赴任する前も複数の芸能関係者が獲得に動いていた。NHKを退社したことで、今後は芸能事務所からのオファー殺到も考えられ、争奪戦が繰り広げられる可能性が高い。別の局関係者はどこかに再就職するのかは未定とした。

 ◆有働由美子(うどう・ゆみこ)1969年(昭44)3月22日、鹿児島県生まれ。大阪で育ち、神戸女学院大卒業後、91年にNHK入局。大阪放送局を経て94年に東京勤務。97年「サンデースポーツ」「サタデースポーツ」スポーツキャスター。02年「NHKニュース10」キャスター。01~03年まで「紅白歌合戦」紅組司会。12~15年、4年連続で総合司会。06年から「スタジオパークからこんにちは」司会。07~10年までアメリカ総局に勤務し、帰国後、今年3月まで「あさイチ」司会。趣味は旅行、温泉巡り、料理、読書。好きな食べ物はすし、すき焼き、イタリア料理。血液型O。