NHK番組が中学校の図書室の貸し出しカードを放送し、生徒の個人名が読み取れる状態だったとして、学校司書らでつくる学校図書館問題研究会が、プライバシーへの配慮を求める文書を同局に送ったことが23日、分かった。文書は7日付。

 番組は4月23日に放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」。北海道の中学校の図書室で貸し出しカードを撮影、放送した。

 同研究会は文書で、図書館の貸し出し記録が「個人の思想・信条につながるセンシティブな情報」で「本人の同意なく提供、公開することは読書の自由を脅かす」と指摘。再放送の際には個人名をぼかすことなどを求めた。日本図書館協会の「図書館の自由委員会」もプライバシーへの配慮をNHKに求めた。

 NHKは「学校を通じてできる限り確認し、問題ないとして放送した」と説明。同番組のインターネット配信では貸し出しカードにモザイクをかけている。