13人組ポップスオーケストラ「ソノダオーケストラ」のリーダー兼キーボード担当、園田涼(31)が8日、大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、メジャー初アルバム「ミケランジェロ」(20日発売)をPRした。

 園田の率いた東大生6人組インストゥルメンタルバンド「ソノダバンド」が14年に解散して以来、ソロ活動やKinKi Kidsなどメジャーアーティストのツアーサポートなど多忙な時間を過ごした。その合間を縫うようにクラシックピアノと向き合ったという。「実はちゃんと(クラシックピアノを)学んだことがなかったので、イチから勉強したいと考えていた。楽曲を譜面に落として自分なりに理解しようとしたり。その作業の中で改めて、世の中すごい曲があるなあと感じて。もう1度今の時代とつながるようなポップスを作りたい、オーケストラで演奏したいと思いました」。

 元々、仏歌手クレモンティーヌなど国内外のアーティストに幅広い人脈を持つ園田だが、「ポップスは今という時代を表現する音楽だと思うので、今すぐ一緒に音楽ができる若い仲間を集めた」と、機動力と実力を兼ねそろえた13人に声を掛けた。自身の演奏するピアノのほか、フルート、オーボエ、サックス、ホルン、トランペット、ストリングスカルテット、キーボード、ギター、ベース、ドラムという13の楽器で編成した「ソノダオーケストラ」を昨年結成。全8曲を収録したアルバムのリリースへこぎ着けた。

 タイトル曲「ミケランジェロ」は、19日に東京・国立西洋美術館で開幕する展覧会「ミケランジェロと理想の身体」(9月24日まで)に展示される彫刻「ダヴィデ=アポロ」のイメージソングに決まった。イタリア・ルネサンス期の巨匠ミケランジェロの印象について、「社会生活において偏屈な芸術家だったという人物伝が多いですが、根本はピュアな人だと感じています」。同時代のダ・ヴィンチやラファエロと競い合うようなイメージもあるが、「攻撃的な楽曲にはしたくなかった」と話すように、逆にゆったり優しい楽曲に仕上げた。作詞を作家の江國香織に依頼したが、「ミケランジェロイメージは図らずも同じだった」と笑顔を見せた。

 江國とは、一緒にバーで飲む仲だと話す。そもそもソノダバンドの音楽を聴いていた江國が、自身の長編恋愛小説「はだかんぼうたち」にバンド名を登場させた。これを知った園田が感動し、御礼に小説のイメージを楽曲にしてCDに録音して贈ったことから、面識のなかった江國との交流が始まったという。ボーカルも交流のある歌手中川晃教に依頼。園田が「自分の曲に歌詞をつけたことは、ほとんどない」と説明するように、レアで豪華な1曲となった。同曲は展覧会場でも聴けるという。アルバムには他にもオリジナル楽曲のほか、クラシック曲のアレンジなどが収録されている。

 16日にはソノダオーケストラのコンサートが大阪・Soap opera classicsで開催される。園田のほか、バイオリン大槻桃斗、チェロ大浦萌が出演。詳しくは公式サイト(http://sonodaryo.com/)を参照。