綾野剛(36)が30日、東京・丸の内TOEI1で行われた主演映画「パンク侍、斬られて候」(石井岳龍監督)初日舞台あいさつで、村上淳(44)から「綾野君の股間が、すごいいいにおいだった。夏を告げるせっけんのような」と評されて、照れ笑いを浮かべた。

 綾野は劇中で“超人的剣客”を自称する浪人・掛十之進を演じ、村上演じる刺客・真鍋五千郎と斬り合う場面を演じた中で秘剣「睾丸(こうがん)稲荷返し」という技が出てきて、2人は絡み合った。そのシーンについて、村上が独特の言いまわしで綾野の股間の香りを説明し「監督、止めてもらっていいですか?」と撮影を止めてもらったと明かした。綾野は「だから止めたんですか? まさか、淳さんの股間をかぐ芝居をする日が来るとは思っていなかった」と笑った。

 また綾野は、腹ふり党の元大幹部の茶山半郎を演じた浅野忠信(44)から、本番中にアドリブでタックルされたといい「諸先輩方がメチャクチャやってくれる…大変でした。浅野さんが出てくるシーンは、全部アドリブなんですよ。いきなりタックルされても、セリフを言わないといけない。僕もドロップキックして…でも監督はOKを出した」と苦笑した。

 浅野が演じる茶山は自らしゃべらず、黒子に代弁させる設定だったが、浅野はアドリブでいろいろ言ってきたという。綾野は浅野に「黒子2人の言葉は茶山の声ですよね?」と聞いたら「違う」と言われたと言い、「ひでぇ現場だな」と苦笑した。

 綾野は「出演は革命ですね。現実の世界で出来ないことを、映画で表現しているんですが、だからはみ出していい…というのが結実した。今日まで役者を続けてきた。1回、生まれ直した感覚があります。感謝しています」と浅野ら共演陣に感謝した。

 「パンク侍、斬られて候」は、芥川賞作家の町田康氏が04年に発表した同名小説が原作。とある街道に“超人的剣客”を自称する浪人・掛十之進が現れ、巡礼の物乞いを突如、切りつけ「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語り、世紀のハッタリ合戦を展開していく、その破天荒な物語を、石井監督と脚本の宮藤官九郎(47)とのタッグで完全実写化した。

 この日の舞台あいさつには北川景子(31)、東出昌大(30)、永瀬正敏(51)、若葉竜也(29)、渋川清彦(43)、国村隼(62)も登壇した。