日中平和友好条約締結40周年を記念し、人間国宝の狂言師野村万作と長男萬斎らによる狂言の公演が10日、北京の劇場で開かれた。

 野村らは男2人が手を縛られたまま主人の留守中に酒を飲むため知恵を絞る「棒縛」、地蔵に祈って目が見えるようになった男と妻とのやりとりを描く「川上」、庭に生えた巨大キノコ退治に山伏が挑む「茸(くさびら)」を披露。

 日本大使館関係者によると、販売した約900席分のチケットは約30分で売り切れ、高い関心を集めた。文化交流を通じ、日中関係をさらに改善させるのが狙いだ。

 野村らは11日にも、舞台芸術を専攻する中国人学生らを対象にした狂言講座を北京の日本大使館で開く。

 日中平和友好条約は1978年8月12日に締結された。