9月15日から3年ぶりの全国ドームツアーをスタートさせるEXILEメンバーに迫るスペシャル企画「日曜日のヒーロー×EXILE」の第2回は、ボーカルのATSUSHI(38)とSHOKICHI(32)の対談でした。
それぞれのソロ活動のことを中心に、紙面ではお伝えしきれなかった“熱いトーク”をニッカンコムでお届けします。
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★海外での貴重な経験
--改めて、休止期間のそれぞれ2年半について教えてください。ATSUSHIさんは海外留学をしました
ATSUSHI 新しいEXILEを消化して受け入れて、どうしていくかを考えても大切な時間だったと思いますし、他のメンバーも頑張ってくれていました。自分も戻ったときに、老けたねとか衰えたねという状態ではなく、確実にパワーアップした形で帰ってきたかったので、劣化しないで帰ってこられたとは思います。
--海外で生活して実感したことは?
ATSUSHI 日本だと「緊張=ナーバス」という感じがありますけど、海外だと「緊張=エキサイティング」という感じがあって、それをずっと肌で感じられたのは、自分の中では大きかったです。例えば、エレベーターの中で声を掛けてくれたり、あいさつをしたり、日常生活の中で緊張している人にまず出くわさないんです。日本だと、お店に行って、店員さんが形式的にちゃんとしているじゃないですか? もちろんそれが良さなんですけど、海外だと型にはまっている人に会わないというか、常に日常がそうなので。
--客観的に日本を見て感じたことは?
ATSUSHI エンターテインメントの世界だと、アジア人で活躍する人が圧倒的に少ないですね。あとは、ジョーク1つにしても、向こうの学校で生活をして、恋愛をしているから通じるジョークがあるので、英語がしゃべれれば向こうで歌を歌えるという甘い考えが、一気にブチ壊されました。例えばギャグの中に、現地の人が小さい頃から見ていたアニメのことが出てきたり、そこが理解できないとジョークも言えなければ、恋愛する感覚もわからない。「I love you」と文法的には理解していても、家族同士でも言える文化と、日本ではなかなか言わなかったり。大きな違いに直面することがありました。僕は日本で育って、日本の文化で日本人の心を歌っているんだなと実感しました。
★音楽の充実と曲作り
--SHOKICHIさんは、EXILE THE SECONDの活動がありましたが、ソロ活動は?
SHOKICHI 音楽的には、充実していました。音楽もレベルアップできたと思いますし、かけがえのない時間だったので、自分の音楽人生にとってもなくてはならないものになりました。曲の作り方もそうですが、コネクションも増えましたし、「こういう曲を作ろう。そうであればこの座組みでいこう」とか、プロデュースの視点でできるようになってきました。また、歌詞を書いたりする中で、人生を考えたりするので、ずっと歌詞を考えると物事を細かく考えるようになるので、人として深くなったような感じがします。
--2人はEXILEの中でも、楽曲を制作するメンバーでもあります。コラボなどは?
SHOKICHI 「Beatiful Life」(12年)で一緒に歌詞を書かせてもらったことがあります!
ATSUSHI 僕はあまり人と一緒に作るのは得意ではないんです(苦笑い)。SHOKICHIとかはスタジオに入って、例えば外国人のコンポーザー(作曲家)を連れてきて、ああでもないこうでもないとやるタイプですけど、僕はそういうのだとちょっと雰囲気悪くなった時とかに、気を使いすぎて、遠慮してしまうタイプなので(笑い)。僕は家で1人、スマホに鼻歌で歌って…とかピアノを弾いて…という方が僕は得意です。
SHOKICHI 僕も最初は1人でやるタイプで、ライティングセッションとかに行っても、意見は出すけど、海外のプロデューサーに負けてしまって…。
ATSUSHI 分かる~(笑い)
SHOKICHI みんな、ものすごく歌がうまいですし、ものすごくきれいなメロディーを出すので、そこに負けちゃうというか。ただ、それこそこの2年半で何回もセッションして、自分の将来の生きる道の1つだなと思って、もっとここを強くしていきたいと思いながらやっていたので、そこに打ち勝つというか、ハートを強くした感じもします。
ATSUSHI 本当に仮歌を歌ってくれる人とかが、「何でこの人デビューしてないの?」みたいな人がゴロゴロいるんですよ(笑い)。それだけで圧倒されてしまう。ただその人が表に出られないというのは、日本もそうかもしれないですけど、ただうまい人が売れるわけではなくて、エンタメ界に名を残すためには、何か1つ、2つとないといけないんだなというのは世界共通だなと感じます。
★ひばり、小田和正のように
--今後の個人的な目標を教えてください
SHOKICHI まずは念願だった、僕らも待ち望んでいたツアーを成功させることに全てを注いで、大成功させたいです。それでまたEXILEのあり方だったり、その中の自分のポジションが見えてくると思うので、ライフワークにしたい曲作りとか、ソロにつなげていけたらと思います。
ATSUSHI ソロとしては、バンドもありますし、いろいろな表現をしていきたいです。ソロ、バンド、グループと、今はそれぞれで違う表現も出来ますし、乱雑ではなく自分の中にすみ分けが出来ています。2020年で僕も40歳になります。ツアーが終わって、来年はそこに向けて記念的なソロの何かをやりたいとも思っています。歌手として将来的にどうあるべきかも考えてます。20~30代の勢いとは違うペースも考えながら、美空ひばりさんのように亡くなった後も、永遠に愛されるような…。技術は到底追いつけないですけど、漠然とそういう道を歩くにはどうすればいいんだろうと、40代は追求していきたいです。小田和正さんとか、山下達郎さんも子どもの頃から聞いていますが、音楽一本で勝負されている姿はまぶしく映りますし、それを支える温かいファンの方々があの2人を囲んでいる気がします。中島みゆきさんとかもそうなのかもしれません。指標になります。