15日に死去した樹木希林さん(本名・内田啓子、享年75)の葬儀が30日、東京都港区の光林寺で営まれた。喪主の夫でミュージシャンの内田裕也(78)に代わり、長女也哉子(42)があいさつした。その中で、也哉子は唯一の親孝行が夫の本木雅弘(52)との結婚だと強調した。

也哉子はあいさつの中で「母が時折、自虐的に笑っていました」と言い、希林さんの生前の言葉を紹介した。

「私は、よそから内田家へ嫁いで、本木さんにも継いでもらって、みんなで一生懸命、家を支えてもらっているけど…肝心の内田さんはいないのよね」

その上で、本木への感謝の思いを語った。

「私が唯一、親孝行できたとすれば、本木さんと結婚したことかも知れない。時には本気で母の悪いところをダメ出しし、意を決して、暴れる父を殴ってくれ、私以上に両親を面白がり、大切にしてくれました。何でもあけすけな母とは対照的に、少し体裁の過ぎる夫ですが、家長不在の内田家に、静かにズシリと存在してくれる光景は、いまだにシュール過ぎて少し感動的でさえあります」。

そして「この絶妙なバランスが欠けてしまった今、新たに内田家の均衡を模索する時が来てしまいました」と言い、涙した。そして「おじけづいている私は、いつか言われた母の言葉を記憶からたぐり寄せます」と言って生前の言葉を紹介した。

「おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい」

そして「やらなければいけないことは、まだたくさんありますが、ひとまず焦らず、家族の日々を大切に過ごせたらいいと願っています」と言って涙した。【村上幸将】