落語家立川志らく(55)が1日、都内でCSチャンネル「衛星劇場」の「生誕100年記念・監督・川島雄三の足跡~全作放送~」記念上映イベントに、コラムニストの泉麻人氏(62)と出席した。

この日川島監督作の「洲崎パラダイス赤信号」を上映後、トークイベントが行われた。川島作品との出会いは80年代で「『洲崎パラダイス』をビデオで見た時は、気だるくて退屈な映画だと思った」と回想。「でも映画館の大きな画面で見たら、その気だるさが面白くなった」と出会いを振り返った。

川島作品の常連として活躍した落語家桂小金治について「映画の世界に行かずに落語だけやっていたら、談志、志ん朝のライバルになっていたっていうくらいの落語家」としつつも「川島ファンからすると絶対必要なメンバー。桂小金治以外に考えられないフィット感なんですよね」。自身も落語家ながらTBS系情報番組「ひるおび」にコメンテーターとして出演中であることに触れると「私が言うのもアレですけど」と苦笑し、会場の笑いを誘った。

起承転結を無視する型破りな作風については「若い世代が見たら飛び付く映画」とし「今の若い子はぶっ飛んだお笑いも受け入れる。縄跳びを飛んでいるだけだったり、『ラッスン』とか…。意味がないことが面白い」とニヤリ。「こんなハチャメチャな映画監督は日本にいない。完成度で言ったら黒沢明、小津安二郎、木下恵介に劣るけれど、はまったらずっとその世界に浸っていたいと思う監督です」と魅力を語った。