ジブリ映画「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」の主題歌などで知られる歌手井上あずみが、35周年記念アルバム「愛になる。」をリリースした。

21日には、N響団友オーケストラとともに、東京・EXシアター六本木でジブリ映像付きの記念コンサートを行う。

アルバムは、作詞家松井五郎氏が手掛けた新曲など6曲を収録。井上は「ジブリを歌わせていただいた32年前と比べると、自分の声も変わってきた。今の井上あずみの歌声を楽しんでいただける内容になっています」。ふるさとへの愛、親子の愛、男女の愛、自然への愛など、さまざまな愛を詰め込んだ。娘を思う母親の心情を歌った収録曲「幸せの階段」は、娘の歌手ゆーゆ(14)と重なって「歌いながら泣きそうになった」という。

ゆーゆと歌った「ありがとうの続き」は、「となりのトトロ」の主題歌「さんぽ」を思わせる明るい曲。「ラピュタの『君をのせて』が好きな方に雰囲気を感じてもらえるような曲もあります。6曲それぞれの魅力を見つけてほしい」と話す。

35年の歌手生活は「あっという間だった」という。「バイトをしながらオーディションを受けて合格して、ラピュタの『君をのせて』や、『となりのトトロ』を歌うことができた。25年前からファミリーコンサートを始めて、やっと歌手だけで生活できるようになりました」と笑う。海外でのコンサートはどこへ行っても大盛況。今年もニュージーランド、ドイツ、中国、米アトランタなどで大規模ステージを成功させ、大忙しだ。

記念コンサートは、そんな35周年の集大成となる。ジブリの名曲のほか、アルバム収録曲、公開中の映画「糸」(主演田中美里)の主題歌「愛しのふるさと」など、映像付きで披露する。もちろんゆーゆも出演し、息のあった親子の歌声を聞かせてくれるという。「ゆーゆも場数を踏んでいろいろな歌い方ができるようになった。『ママと歌う時は芯のある歌い方をした方がいい』とか分かってきて、頼もしい。親子でも歌手としてはライバル。N響の皆さんとともに、楽しいステージにしたい」と話している。