漫画家の山本さほ氏が、東京・世田谷区役所から受けた仕事で担当職員から横暴な振る舞いを受けたと告発し、同区長の保坂展人氏が謝罪する騒動となっている。

山本氏は1日、世田谷区が主催した国際マンガ交流イベントで海外の子どもたちに漫画を教える講師としての仕事を請け負ったが、同日更新のツイッターで「世田谷区役所と仕事したんだけど、やばすぎて笑うしかなかった…。人のことなんだと思ってんだろう」と何らかのトラブルがあったことを匂わせ、翌2日にはその仕事をめぐる担当職員とのやり取りを描いた漫画を公開。担当職員は山本氏が前もって送っておいたデータを紛失したほか、会場を誤って二重におさえてしまう“ダブルブッキング”などのミスを犯しつつも、その責任の一端は山本氏にあると主張し、山本氏のギャラから会場キャンセル料を差し引くなどと発言したという。

さらに山本氏はツイッターで「ちなみに子どもの画材も買いに行ってくれと言われたので子供たち全員分の画材も自腹で買いました。打ち合わせ、画材の買い出し、資料作成、授業で実働4日です」と明かしていた。

ネット上では山本氏に同情する声とともに、担当職員への批判が噴出。こうした状況を受け、保坂区長は3日更新のツイッターで、「オーストラリアの姉妹都市交流のプログラムで、漫画家の山本さほさんに御協力をいただいたワークショップのことで、管理職に事実確認をしました」と言及。「ダブルブッキングで生じたキャンセル料を謝礼から差し引く等の発言をしたことがわかり、山本さん他関係者に多大なご迷惑をかけたことをお詫びします」と謝罪した。

また、「担当課長が漫画家の山本さほさんに連絡をさしあげ、本日中にお会いして、直接お詫びをさせていただくとのことです」と報告。「さらに、なぜこのような誤った対応をしてしまったのかを調べると共に、同様のことを繰り返すことのないよう厳正に指導いたします」とした。(共同)