“ジュリー”こと沢田研二(70)の取材をしてきました。

さいたまスーパーアリーナ公演をドタキャンした当日は、別件取材を担当していました。デスクに連絡すると、「ジュリーがライブをドタキャンしたらしい」とのことでしたが、私にはジュリーへのツテがありません。わらをもつかむ気持ちで事務所に向かうも、もぬけの殻。翌朝、デスクとの打ち合わせで、やはり最優先は本人直撃ということで、ジュリー宅へ向かいました。

張り込み中にイベンター、チケット販売会社に電話取材もしました。イベンターは「担当者も決まっていないし、何度電話されても困ります」と若干切れ気味。午前中に電話した時点で「午後に電話してください」とのことだったので、午後に電話したんですけどね…。

そして、待つこと5時間。ついにジュリー本人が出て来ました。各社ジュリーに殺到しましたが、冷静に「ここではなんですから、近くに公園があるのでそこで」とだけ話すと、歩き始めました。

公園でまずジュリーが口にしたのは謝罪でした。その後はみなさんのご存じの通りです。

囲み取材は30分弱。現場で私が感じた今回のドタキャン騒動の真意は、“アーティストとしてのジュリーの意地”でした。「僕の実力不足」とは話しましたが、ドタキャンすることで自らが背負うマイナスも含めた上での、「所属事務所」「イベンター」に対して活を入れたのだと思います。

本来タレントを守るべき所属事務所が、イベンターと一緒になって「(コンサートを)やってください」となっていたことも意外でした。また、イベンターに電話取材した際の対応も「連携が悪い」という印象でした。

「僕のアーティスト人生の先は短い」。だからこそ、あのさいたまスーパーアリーナで決断したのだと感じました。

張り込みは空振りに終わることが多いのですが、約5時間の張り込みを原稿に出来たのは、記者としてもうれしいことです。でも、その代償として風邪をひきました(笑い)。