東京国際映画祭が10月末から始まった。各国のスターが六本木に集い、毎日のようにレッドカーペットやトークイベントが開催されている。

そんな中、アジア3カ国の監督がメガホンをとる「アジア三面鏡」という企画オムニバス映画の会見を取材した。第2弾の今回は、日本、中国、インドネシアの監督が作品を撮った。監督とキャストが登壇したが、それぞれの服装の違いがおもしろかった。

まずは日本。俳優長谷川博己と松永大司監督の2人が舞台に上がった。2人ともダークカラーのスーツをオシャレに着こなす「パーティースタイル」だ。

考えてみると日本で映画の舞台あいさつといえば、女性はロングドレス、男性はこじゃれたスーツという「パーティースタイル」が多い。若手俳優はスーツをうまく着崩したり、カジュアル寄りのオシャレなジャケットを羽織ったりもするが、基本はジャケット×パンツ。この日の長谷川と松永監督の服装は、これに準じたものだった。

中国はどうだろうか。監督とキャストの計女性3人が登壇したが、監督はさておき、女優2人は「授業参観風ファッション」、つまりはデパートに売っていそうな衣装だった。日本の女優が着るドレスほど華やかではないが、キチンと感のある服装だ。とはいえ、場によっては中国の女優もロングドレスを着ることもある。同じ東アジアの国だからか、大差はないようにも思える。

では、東南アジアのインドネシアはどうか。男性3人、女性1人が登壇したが、男性は全員がジーンズ、女性は個性的なワンピースに革ジャンという、かなりカジュアルなコーディネートだった。私服のまま出てきたと言われても納得してしまうほどだ。ジーンズの俳優が舞台に立っている姿は新鮮だった。

また、松永監督がメガホンを撮った作品に出演しているミャンマー人の女優は、民族衣装のようなドレスで登壇していた。日本の女優が海外の映画祭で着物を着るような感覚なのだろう。個性があってひときわ目を引いていた。

どれが良い、悪い、ということを言いたいわけではない。国際映画祭という場で、各国のカラーが際だっているのがおもしろいと感じた。