NHKは9日、大みそかの「第69回NHK紅白歌合戦」(午後7時15分スタート)の紅組司会に、来年4月スタートの連続テレビ小説「なつぞら」のヒロイン広瀬すず(20)が、白組司会に嵐の櫻井翔(36)がそれぞれ決まったと発表した。広瀬は紅白初司会だが本格的な番組司会も初挑戦になる。また、総合司会は昨年に続き、内村光良(54)とNHKの桑子真帆アナウンサー(31)が務める。

平成最後の紅白。本格的な番組司会の経験もない広瀬は大役に「まずは一番驚いています。本当にどうしてよいのか分からないというのが今の正直な気持ちです」と素直な心境をコメントした。「なつぞら」は朝ドラ100作目となる節目の作品。「『朝ドラ、100作目だからね、頑張ってね』と言われた時と同じプレッシャーと責任を感じます。まだまだ実感がわかない日々ですが、一生懸命に頑張りたい」と意気込んだ。

NHKは広瀬の起用に「20歳の若さながら人気と実力を兼ね備えた女優」と説明した。同局はこれまで、平成を振り返るだけでなく、未来に向けワクワクする紅白にしたいとしていた。広瀬のフレッシュな魅力と節目の作品で来年の朝の顔となることで、関係者によると広瀬は必然の起用だったようだ。

一方、白組司会の櫻井は小1の時に平成の年号発表をテレビで見た記憶が鮮明にあると紹介。その上で「あの日からおよそ30年。“平成最後の紅白歌合戦”の司会をさせていただくことになると、当時の私に伝えても信じてもらえないと思う。身に余る大役。幅広い多くの方の心に残る紅白になるよう精いっぱい務めたい」とコメント。

近年の白組司会は、16年に相葉雅紀、17年は二宮和也と嵐のメンバーが務めてきた。今年も流れを引き継ぐ形。櫻井は5月公開の主演映画「ラプラスの魔女」で広瀬と共演し、気心が分かっている。また、来年はラグビー・ワールドカップを放送する日本テレビのスペシャルサポーターを務め、日本テレビの顔となるだけに、司会のタイミングは今年がベストと判断したようだ。NHKは「数多くの番組で司会やキャスターを務め、テレビ界を代表するMC」、また「信頼感と安心感のあるトーク力」と起用理由を説明した。

また、2年連続総合司会の内村については、「ユーモアと温かい人柄があふれる言葉で紅白に新しい風を吹き込んだ。平成最後の紅白全体を盛り上げるにはふさわしい」と起用理由を説明した。

◆広瀬(ひろせ)すず 1998年(平10)6月19日、静岡県生まれ。姉アリスの所属事務所にスカウトされ、12年にミスセブンティーン。13年フジテレビ系「幽かな彼女」で女優デビュー。15年日本テレビ系「学校のカイダン」で連続ドラマ初主演。同年映画「海街diary」で日刊スポーツ映画大賞新人賞。17年「ちはやふる」で映画単独初主演。特技はバスケットボール。趣味は音楽鑑賞。好きな食べ物はニラ。159センチ。血液型AB。

◆櫻井翔(さくらい・しょう)1982年(昭57)1月25日、東京都生まれ。99年に嵐メンバーとして「A・RA・SHI」でCDデビュー。04年慶大経済学部卒業。映画は06年「ハチミツとクローバー」11年「神様のカルテ」など。ドラマは11年から13年までフジテレビ系「謎解きはディナーのあとで」シリーズや17年の日本テレビ系「先に生まれただけの僕」など。06年から日本テレビ系報道番組「news zero」のキャスターも務めている。171センチ。血液型A。