今回の紅白歌合戦を見た方の満足度はきっと高かったのではないだろうか。

35年ぶりにNHKホールで歌い、大トリで平成最後の紅白を飾ったサザンオールスターズを始め、サプライズで生登場したユーミンが歌う「やさしさに包まれたなら」に涙するaiko。審査員の安藤サクラの姿、地元徳島の美術館で幻想的な演出の中、大ヒット曲「Lemon」を歌った米津玄師など、見どころが満載だった。

紅白というコンテンツのすごさを再認識した気がする。今どき視聴率40%を超える番組は、大みそかという特別な日が手伝っているとはいえ、他には、4年に一度開催されるサッカーワールドカップ(W杯)の日本戦ぐらいなものではないか。

それだけでも紅白のすごさがわかると思うが、紅白を引退した北島三郎が災害を受けた地域のみなさんに元気を与えたいといって5年ぶりに復帰し、「まつり」を歌うのも紅白という番組が持つ影響力を北島三郎本人が認識しているからこそ。

マンネリと言われて久しいが、家族や友達とその年のヒット曲や懐かしの名曲を味わうのは悪くないし、1年の出来事を振り返るとともに、ゴタゴタや嫌なことを忘れるにはぴったりなのかもしれない。何よりも歌が持つ力をまざまざと感じることができる。

記者がサザンの大ファンだからというわけではないが、桑田が歌いながらサブちゃんと握手、おまけにユーミンが桑田にキスするなんていうシーンが見られるのは紅白しかないと思う。

ユーチューブを始めとしたネット系メディアやコンテンツが席巻している今だからこそ、大みそかにテレビで生放送される紅白歌合戦の存在意義がより重要になっていると思う。今回の満足度の高さ(私はそう感じたが)で期待はより高まるだろうし、1年の締めくくりにふさわしい”良質な紅白”をこれからも見たい。