嵐が27日、来年いっぱいをもって活動休止することを電撃発表した。午後5時にファンクラブサイト内で、メンバー5人が並んで話す動画をアップし、午後8時から都内のジャニーズ事務所で会見を開いた。リーダーの大野智(38)は、2021年から一時芸能活動を休養。他の4人はそれぞれがソロで活動する。

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芸能界全体を見ても、約2年の猶予をもっての活動休止発表は異例の「早さ」だ。このタイミングでの発表に、5人の最大限の「配慮」と「こだわり」を感じた。

押しも押されもせぬ、国民的アイドルグループ。それだけに、テレビなどのさまざまな媒体、CMやイベントなど、仕事での関係者は無数にいる。関係者によると、さまざまな調整を行うために十分な期間をあけたいというメンバーの希望もあり、休止約2年前の発表となったという。

ファンに対しても同様だ。ファンクラブの人数は230万人以上。来年ツアーなどが開催されたとしても、全員を動員できるとは限らない。一方、開催中のドームツアーは全50公演の大規模で、動員も多い。もちろん寂しさや悲しさはあるかもしれないが、「これが休止前最後のライブかも」と覚悟をもってライブに臨むのと、「あれが結果的に最後のライブだった」と後から思い返すのでは、受け止め方も違ってくる。

2年間あれば、発表後のファンの反応や要望を受け、メンバーたちも新たな企画やイベントを考案して、実現できるかもしれない。

また、トップを走り続けた嵐だからこそ、普段からのさまざまな負担やプレッシャーも計り知れない。外に出れば常に注目の的で、スマートフォンのカメラで狙われる。ちょっとした失言や行動が、意図せずにまとめられていくこともある。嵐に限らず、インターネットやSNSの隆盛で、タレントの情報は瞬く間に拡散するようになった。大野の「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい」という言葉は、こうした時代背景も無関係ではないかもしれない。【横山慧】