先月17日に肺炎で死去した内田裕也さん(享年79)のお別れ会「内田裕也 Rock’n Roll葬」が3日、東京・青山葬儀所で営まれた。

1983年(昭58)公開の内田さんの主演映画「十階のモスキート」、18年の「転がる魂 内田裕也 ザ・ノンフィクション」を手掛けた崔洋一監督(69)が弔辞を読んだ。

助監督時代、松田優作主演の映画「最も危険な遊戯」(村川透監督)へ出演依頼が出会いのきっかけだったといい、「フランネルのジャケットに、アンティークのバーバリー。こんなセンス、こんなおしゃれな人がいたんだと印象づけられました」と回想した。

82年に「頭に来たから映画を作ろうよ。俺は新しい人と組みたいんだ!」と直接映画制作のオファーを受けたといい、「受話器から裕也さんがガンガンと飛び出してくる」と当時の勢いを振り返った。「頭越しの政治あり、どう喝まがいの説得あり、何でもありの、たった2人の強固なゲリラ部隊。そしてわれらの物語『十階のモスキート』は、多くの人の力を借り幸せな映画になりました」と話した。

また「あなたのフィルモグラフィーです」と内田さんの出演作を読み上げると、「万感の思いで大勢の仲間があなたを見つめています。あなたの目の前にいる私たちは、あなたに恥じない生き方をしたいだけです」と語った。

参列した内田家の面々に向き直り「非礼な言葉をお許し下さい」と断ると、最後は「裕也さん、安らかに眠るな。荒ぶる魂を、とわにわれらに」と壇上を見上げた。