女優松本穂香(22)が21日、「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」のレッドカーペットに登場した。映画「酔うと化け物になる父がつらい」(今年公開予定)にダブル主演した渋川清彦(44)、片桐健滋監督(39)とともにファンの大声援に応えた後は、那覇・テンブスホールで行われた上映会の舞台あいさつに出席した。

レッドカーペットを歩いた感想を聞かれると、松本は「楽しかったです。沖縄に来てモズクを食べました」と笑顔を見せた。

ウェブサイト「チャンピオンクロス」で連載された、菊池真理子氏の自身の体験を元にした同名のコミックエッセーの実写化。アルコールに溺れ、毎晩お酒を飲んで化け物のようになって帰って来る父親(渋川)と新興宗教信者の母親の、娘の主人公(松本)が崩壊していく家族の中で、がむしゃらに生きて未来を見つけていく。

松本は「抱えているものが、ずっとモヤモヤしている役だったので、どこまで私が表現できるかという思いを抱えたまま演じました」。印象的なシーンについて「1人で頭の中で考えるシーンで『みんな普通は私の特別』という言葉があった。いろいろなものを抱え込んでいる子なんだなと感じました」と振り返った。

渋川は「松本さんにたたかれるシーンがあるんですけど、結構痛かった。意外と力が強い」と苦笑い。松本は「手がジンジンしました」と笑った。

撮影に当たって、渋川が「監督とはあまり話しませんでした」と振り返ると、片桐監督は「キャスティングとは、そんなものです」。渋川は「松本さんとも、話してなかった。昨日、ちょっと飲んで仲良くなりました」。松本は「こんな笑顔もあるんだと思いました」と話した。

家族のあり方を描いた作品とあって、家族から受けた影響を聞かれると、松本は「犬好き。ずっと犬がいる家で育ちました。今はマルチーズとトイプードルを掛け合わせたマルプーがいます」。渋川は「口が悪いこと。おやじの影響です。うちの子にも伝わって、3歳なのに『おやじ、てめえ』と言ってます」。前夜、酔っぱらって転んだという片桐監督は「酒を飲むことです」と話した。

途中から原作の菊池氏も客席から登場して「片桐監督が、私が思った以上のものを作ってくれた。主演のおふたりが、私と私の父の気持ちを、私たち以上に考えてくれた。本当にありがとうございます」とあいさつ。松本は「もう言葉が出ないです。ありがとうございます」と話した。【小谷野俊哉】