平成最後の日は、岐阜県関市にある「道の駅平成」にいた。30年前、新元号が「平成」と発表された時、関市内(旧武儀町)に人口37人の「平成(へなり)地区」があり、読み方こそ違うものの、同じ名前とあって話題を呼び、全国から観光客が殺到した。

町おこしのため、平成地区を中心に「日本平成村」が開村し、初代村長に女優三田佳子が就任。その縁から、平成最後のイベントに三田も招待され、その取材のために訪れた。

ここ数年は「道の駅平成」の来場者も激減していたが、昨年に改元することが発表された直後から、来場者も増え始め、今年に入ってからは、連日、多くの観光客が押し寄せた。そして、4月30日の平成最後の日は、駐車場に入ろうとする車の列がなんと10キロも続く大渋滞となった。

さらに、平成地区で採取した空気の缶詰「平成の空気」が1080円という値段にもかかわらず大人気となるなど、平成グッズが飛ぶように売れていた。この日1日の来場者は1万人を超えて、道の駅内の各店の売上も過去最高を記録したそうです。

三田も「30年前のご縁から最後の日にまた招かれてうれしい。こんなに混雑していて驚きました」と話すほどの盛り上がりをみせたが、令和となってからが正念場でしょう。全国に道の駅は1100を超えていますが、そのうち3割以上が赤字経営だそうです。「道の駅平成」も、元号に頼らない、次の一手が求められそうです。【林尚之】