歌は抜群に上手なのに、認知度はイマイチ。もっと、多くの人の耳に歌声が届けばいいのにな…。そんな歌い手が城南海(きずき・みなみ=29)です。

鹿児島県奄美大島生まれで、奄美の民謡「シマ唄」を子守歌がわりにして育った歌姫。09年1月に「アイツムギ」でメジャーデビューしました。テレビ東京系「THE カラオケ★バトル」には14年に初出演をして以来、番組初となる10冠を達成しています。

カラオケで高得点を得る人は音程を外さない。この公式通りに「歌はうまいけど歌声が心に響かない」という歌手もいますが、城は違います。

今月8日にデビュー10周年記念のベストアルバム「ウタツムギ」を発売しました。オリジナル曲とカバー曲のCD2枚組(2800円、税別)ですが、どの曲も聴き応えがあります。

抱負な声量、確かな歌唱力、情景を想像させる表現力。「歌がうまい歌手」を称賛する多くの言葉が、城にも当てはまります。

故郷の奄美に住む父親が電話をしてきて「CDを5枚買ったよ」とうれしい報告をした後に「でも値段が高くないか?」と聞いてきたそうです。その時は「初回限定盤には、奄美で行ったコンサートを初めてDVDにした付録が付いているから決して高くない」と即答をしたと先日、話していました。

付録のDVDがなくても十分に“お得感”があると思います。記者のお薦め曲はカバーの「月のしずく」とオリジナルの「アイツムギ」です。【松本久】