杉良太郎(74)が7日、東京・東大井の鮫洲運転免許試験場を訪れて、運転免許証を返納した。

杉は昨年12月から警察庁特別防犯対策監に任命されている。同所を訪れて免許証を返納し、運転経歴証明書を受け取った。最近では、高齢運転者による死亡事故なども全国で多発しており、今年8月に75歳を迎える杉も、自主返納を決意した。「70歳の更新の時に大変な講習を受けて、この次更新できるかと判断して、次は返納しようと思ってました。近頃、高齢者による事故が多発して、犠牲者も出ている。ちょっとでも不安があれば、返納した方がいいと。誕生日は8月なんですけど、6月に前倒しをしました」。

最近は、都内では運転せず、青森に帰った際に運転する程度だったという。妻の伍代夏子にも相談し、「いいんじゃない?」と承諾したという。杉自身の健康状態は悪くないというが「講習の中でも、目の反応とか、危険を察知した時の反応が以前とは違うと感じていた。再交付した時はよくても、次の更新までの3~4年で、体調の変化もあると思うし、そこが落とし穴になると思った」と話した。

運転経歴証明書で受けられる特典もある。杉は「こういう年になって、相手を傷つけてしまって刑務所に入るのはできないでしょ…。生きて出てくるのも難しい。家族が話し合って、やめるところはやめないと」と啓発。今回の返納を通じて「考えるチャンス、きっかけになってほしい」。この日は、60人ほどの取材陣も駆けつけており「これだけ取材が来ることにまずビックリした。それだけ社会現象ということなのかな」と苦笑いしていた。

警察庁の発表によると、昨年に運転免許を自主返納したのは全国でおよそ42・1万人で、そのうち75歳以上が29・3万人という。年々返納者数は増加しているものの、返納率は75歳以上の免許保有者の5%という。