サザンオールスターズのデビュー40周年ツアー最終公演を取材した。

ツアー初日は3月30日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナは気温1度、季節外れの雪だった。あれから約3カ月。40周年を締めくくる千秋楽は、まさに、サザンの集大成に感じさせるパフォーマンスを見た。ツアー初日のセットリストに入っていなかったデビュー曲「勝手にシンドバッド」もやりきった。桑田佳祐らメンバーは、ファンからリクエストが多いことを知ると、4月の横浜アリーナ公演からこの楽曲を加えた。さらに言うと、初日公演に宮城の地を選んだ理由は「東日本大震災を忘れるな」という思いからだ。

音楽が消費される時代において、サザンの曲は誰もが口ずさめる曲ばかりだ。1度聞いたら忘れないメロディーを作れるのは、バンドの強み。そんな共通言語を生み出せる能力と音楽で日本中を元気にしたいという思いこそが、40年間変わらず愛される理由だろう。

1978年6月25日にメジャーデビュー。当時9歳だった自分には、強烈過ぎる印象だった。そんなメンバーもすでに還暦を過ぎている。だが、それを感じさせないパワーとパフォーマンスに圧倒されたライブであり、新時代の令和にもさらなる躍進を確信した。【川田和博】