俳優竹内力(55)をインタビューした。

「こわもて」だが、イメージとは違う三越、伊勢丹で「力祭(りきまつり)」を開催するという。ドッキリかと思ったけど本当だった。来月10~23日にJR京都伊勢丹、8月7~13日は伊勢丹府中店でと日程が決まっている。

もう、驚くしかないが、竹内は真面目なビジネスマンの顔も持っている。

それに気が付いたのは、09年の映画「釣りバカ日誌 ファイナル」の大分ロケ。大分出身の竹内がゲストだったのだが、インタビューした際に、あまりにも理路整然とした人なので、びっくりしてしまった。本人から「あんまり言うな」とドスのきいた声で言われているのだが、基本は元銀行員。子供のころからヤンチャだったとしても、元銀行員ならではのクレバーな話が、どんどん出てくる。

ビデオ、映画で闇金の世界を描いた「ミナミの帝王」で売れっ子になった竹内だが、途中から制作サイドに加わるようになった。ここだけなら、反社会勢力の“あいさつ料”の世界かとも思うのだが、その後のプロデュース業がすごい。

役者としては、こわもてを貫いて売れっ子だったり、テレビのバラエティーで突っ込まれて笑いをとっているのだが、映画プロデューサーとしては、本当にしみじみするくらい、いい作品の製作に関わっている。「聖の青春」「オケ老人!」「ねことじいちゃん」など、作品名を聞いただけで心がほっこりするような作品に出資している。

竹内いわく「俺は大工の息子だから、もの作りが好きなんだよ。役者よりも、裏方が好き。役者だって、表に出るというより、ものつくりの延長だからね」と、こわもてを崩して笑う。

若い頃は「一晩で日本酒だったら1升半は飲んでいた」という酒も「今、そんなんだったら死んじゃうよ」と笑う。現在55歳。更生してナイスミドルになった竹内力を楽しみたいと思う。