映画「男たちの大和/YAMATO」などで知られ、今年2月に亡くなった佐藤純弥監督(享年86)と、同作などでプロデューサーを務め5月に亡くなった坂上順氏(享年79)をしのぶ会が5日、都内で行われた。

会が始まる前に取材に応じた発起人の北大路欣也(76)は「(2人は)優しくて厳しい方でした」と振り返った。「空海」(84年)の撮影について、北大路は「純弥監督の(空海に対する)世界があって、その目は違う、空気が違うと言われ、最初はスムーズにいかなかった。ある時『欣也君、丸い水晶玉を抱えているような感じで、その雰囲気分かるかな? その中で発想したらどうだい』と言ってくれました。天にも昇るような気持ちでした」と、役をつかむヒントをもらったとした。

同じく発起人の三田佳子(77)は「愛欲」(66年)「敦煌」(88年)などの佐藤監督作品に出演した。「気張らないことを教えてもらいました。『愛欲』でのベッドシーンの時、スリップがずれて三国(連太郎)さんにまとも胸を見られてしまった。見られちゃった! と泣いていたら、純弥監督は『ああそう、いいんじゃない』と。女優はちまちまと神経をとがらせるんじゃなく、自然体でやっていくのがいいということを教わりました。兄貴のような先生のようなおふたりでした」と話した。

今年4月、三国さんの七回忌の時、坂上氏に「佐藤純弥監督をしのぶ会の発起人をやって」と頼まれていたという三田。2人の遺影を見て「まさか、今日2人が並んでここにいらっしゃることになろうとは思いもしませんでした。人生のはかなさ、切なさ、現実をつくづく感じました」と語りかけた。

発起人にはほかに小林稔侍、佐藤浩市、佐久間良子、中村嘉葎雄(この日は欠席)、西田敏行らが名を連ね、そのほか寺尾聰、舘ひろし、渡辺謙、反町隆史、中村獅童、蒼井優ら約600人が出席。