女優藤山直美(60)が3日、京都市内で「喜劇 道頓堀ものがたり」(10月12日~11月5日、京都南座)の制作発表に出席した。

同公演は、00年に大阪松竹座、東京・新橋演舞場で、02年に藤山の父である寛美さん(享年60歳)の十三回忌追善公演として、愛知・御園座で、03年に福岡・博多座で上演された。今回は昨年の11月に新装開場した南座で公演される。藤山は17年2月に乳がんを公表し、同年3月に摘出手術。昨年10月に舞台復帰した。今回、復帰後初の南座公演となる。同劇場での出演は5年ぶり。

藤山は冒頭で「丁寧な言葉が苦手です」とあいさつし笑わせた。「南座の建物は『舞台に生半可な気持ちで立ったらあかんぞ』と後ろから言われている気がする。うちのお父さんも『南座は見えへんもんが動くから心して立たんとダメやぞ』とよく言ってた」と南座への思いを語った。

南座は1929年(昭4年)に改築され、1990年(平2)に大規模改修が行われた。「前の前の南座が昭和4年に生まれ、平成2年に幕を閉じてるんです。うちの父が昭和4年生まれで平成2年に亡くなった。そのとき親子で2週間ほど出させてもらった」と南座との不思議な縁を明かした。また「借金で首切られたのも、父と母がめぐりあったもの南座。ツタが絡んでるような運命」と話した。

また、先代の(市川)猿之助の出待ちをして学校から呼び出されたことや、京阪電車の祇園四条駅で猿之助のポスターを盗んだいたずらも明かした。

自身の体調について「還暦だし、100%戻ってはない。不安はあるが、5、6月は75%。ここから80、90%になっていければ。でも無理はせんようにします」と意気込んだ。