俳優の藤重政孝(44)が28日、大阪市内で、出演した映画「みとりし」(白羽弥仁監督)の舞台あいさつを行った。作品は、患者が亡くなるまでの間の介護を行い、最期を見送る「看取り士」の姿を、優しく温かい視点で描く。上映館は少ないが、ぴあ映画満足度ランキングで高い評価を得る注目作で、企画段階から参加した俳優・榎木孝明が主演。

藤重は劇中で家族を送る役で登場、魂のこもった演技で存在感を示す。「自分の家族が突然同じ状況になったら、どうするだろうとイメージしたら、すぐに役に入れた」と語った。原案者で看取り士の柴田久美子さんと登壇した白羽監督は「一生懸命コツコツと作った作品。(評価の高さは)皆さんに支えられていると感じる。目で見て心で感じて欲しい」とPRした。

藤重はシンガー・ソングライターとして「今夜抱きたくて」「FOREVER」などの楽曲で知られ、95年に放送されたTBSドラマ「新婚なり!」でイケメン俳優としてブレーク。現在はデパ地下の人気店舗のマネジャーはやめ、俳優業の傍ら、演出家としても活躍。「デビュー25周年ですし、音楽活動もしっかりやりたいですね」と甘いマスクで話した。