是枝裕和監督(57)が5日、韓国・釜山で開催中の第24回釜山国際映画祭で「今年のアジア映画人賞」に選ばれ、授賞式と公式会見に出席した。

同賞はアジアの映画産業と文化発展に優れた業績を残した映画関係者や団体に与えられる。

同映画祭イ・ヨングァン理事長からトロフィーを受け取ると、「このトロフィーは、尊敬するアジアの映画人から渡されたリレーのバトンだと思ってしっかり受け止めて、次の世代のアジアの作り手たちに渡したいと思います」と話した。また、「いろんな対立や隔たりを超えて、映画と映画をつないでいく役割を担っていければいいなと今日あらためて思いました」と続けた。

仏女優カトリーヌ・ドヌーブ主演の映画「真実」上映前の舞台あいさつでは、「この映画は、母と娘の物語です。いろんな母と娘が作品の中に登場します。ここ数作、重たい作品が続いたので、観終わった後に、気持ちが前向きで明るくなるような、少し遠回りして家までの道を歩きたくなるような、そんな作品を作りたいなと思いました。素直に楽しんでくださいと言える作品に仕上がっていると思います」と話した。