俳優西田敏行(71)が25日、大阪市内で、上岡龍太郎さんの後任として2代目局長を務めた関西の名物番組「探偵! ナイトスクープ」(ABCテレビ、金曜午後11時17分=関西地区)の最終収録を行った。

11月15日と最終の22日放送分を収録し、3代目局長はダウンタウンの松本人志(56)と発表。松本も登場し、西田からバトンが渡された。松本は同29日放送分から出演する。

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最後の収録だったこの日、西田はスタジオに入るなり「局長として最後の収録になります。本当にどうもありがとうございました」と言い、観覧席に礼を述べた。収録の最終盤には、松本が登場。3代目局長として、紹介された。

松本は、西田局長との別れを惜しむ空気感に「やめないで感満載やん」と言いつつ、「この番組が好きな人はカラーが変わっちゃうと思うけど、僕1人で変わるヤワな番組だと思っていない」。松本は16年5月放送分で、依頼者として出演したことがあり、西田と同じく「番組ファン」だった。西田は、観覧席に「3代目局長、松本で問題ないですね」と問いかけると、会場には拍手が起こった。

西田は昨秋ごろから退任を考えていたといい、その理由に言及。もともと、番組は「上岡局長が深い時間に大人の乾いた笑いを追求してた」ととらえ、自身が局長に就くと「だんだんスタッフや探偵の熱意が感動に変わって、泣いてしまった」と述懐した。

「乾いた笑いと、ぬれた感性を、ちょうどフィフティーフィフティーにして進めたい」と考えていたバランス。その均衡も保ちにくくなり「コンセプトが薄らいでいくという危惧があって、ぼちぼち引こうかなって感じ」と、決意した。体調不良で休演した時期もあり「体力的にしんどいのもあった。大阪まで新幹線で来るのが肉体的にしんどかった」とも明かした。

局長19年を「ラグビーで試合が終わったときのノーサイドの気分。感無量です。楽しかった」と振り返り「3代目局長にすべて委任して、私は視聴者に戻ってゆっくりします」と言い、涙した。【星名希実】