落語家桂米団治(60)が21日、大阪市内で、ナビゲーターを務める「井手章夫 指揮者活動70周年記念演奏会」の制作発表に出席した。

演奏会は米団治が代表取締役社長を務める米朝事務所が主催。米団治の義理の伯父で、妻の母の姉の夫にあたる井手さん(92)が指揮者、管弦楽は大阪交響楽団が務める。ナビゲーターの米団治は、これまでにクラシックを落語に取り入れる活動も行っている。

米団治は妻の父が昨年他界し、そのお通夜で、井手さんが音楽に詳しく指揮者をやっていることを知ったという。米団治は「93歳になる。世界最高齢の指揮者で、その姿を一度見てみたいと思い、大阪交響楽団が乗ってくれました」と話した。

井手さんは1927年に京都で生まれた。教師として仕事をしながら音楽分野でも活動し、1949年に新制高等学校連合交響楽団を結成した。演奏会ではベートーベン交響曲第2番の指揮をする。「プロの指揮は初めて。楽しみで楽しみで。冥土の土産です」と笑わせた。指揮者として初めてステージに立ったときに振った第2番は「思い出のかたまり」といい「ベートーベンの孤独感もあり、これからやっていこうという特有の力強さを感じます」と話した。

来年の演奏会では93歳になっている。元気の秘策は「ありません、別に」と笑わせた。「あんまりくよくよせんのです。のんびり暮らしています。お肉も何でも食べますし。とにかくなるようになるって過ごしていたら長生きすると思います」。

米団治は「おじさんにエールを託したい。父とほぼ同い年で90歳過ぎて元気ですごい。長生きして元気であることは尊い」と話した。