堺正章(73)が2日、都内でライブを開催し、グループサウンズ時代をほうふつとさせる若々しいパフォーマンスを披露した。一方で、大御所らしく、不祥事が相次ぐ芸能界に複雑な思いも明かした。

公演前には「加山(雄三)さんや矢沢(永吉)さんも体調を崩されたようなので、いよいよ僕が頑張らなくては」とジョーク交じりに笑顔を見せた。「この年であえて激しい曲やキーの高い曲を選びました。きついけど、これはチャレンジです」。「ツイスト・アンド・シャウト」などロックの定番に加え、「夕陽が泣いている」などスパイダース時代の曲を含め、計10曲を歌った。

出演する来年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」では、共演の沢尻エリカ容疑者(33)による薬物騒動で収録現場が大混乱となった。「皆さん平穏を装って何事もなかったように作業を進めていますが、やはり傷ついているんだと思います。僕との共演シーンはなかったんですが、撮り直しが続いて、予定にあったはずの僕の収録が飛んだりします。それでも粛々と進めるのが『ワンチーム』なんでしょうね」と、今年の流行語大賞にかけて心情を明かした。

代役の川口春奈(24)については「いろんな意味でハンディを背負って、ものすごく緊張しているようです。少しでも、それを解くお手伝いが出来れば」と思いやった。

薬物以外にも不祥事が相次いだ今年の芸能界については「本来は無頼のやからの集まりですからねえ。そう見せるのはいいけど、本当にそれじゃあ、やっぱりダメなんでしょうね。まずは一社会人なんだから。でも、この世界、それだけじゃつまらない。どっかではじけないとねえ。そのさじ加減が難しい。責任もって無責任なことをやる仕事だからねえ。はじける人がどんどん少なくなるのも寂しい気がするし」と複雑な思いをのぞかせた。