俳優滝川英治(40)が11日、東京・八重洲ブックセンター本店で、初エッセー「歩-僕の足はありますか?」(主婦と生活社)発売記念イベントを開催した。

滝川は17年9月、出演していたドラマ「弱虫ペダル2」撮影中の自転車転倒事故により、脊髄損傷の重傷を負った。この日は自ら電動車いすを操作しながら来場し、詰めかけた取材陣の多さに「たくさんいらっしゃる。ありがとうございます」と笑みを浮かべた。

エッセーでは、これまでの俳優人生を振り返りながら、事故後の葛藤や苦悩、新しい夢についてつづっている。滝川は「経験したことをありのままに書かせていただきました。1冊になるまで僕の力だけではできなかった。みんなに支えられながらここまで来ることができた。でも一番はファンに勇気をもらった」と振り返った。ファンと接するイベントも事故以来2年半ぶり。「楽しみ99%、一抹の不安1%」と心中を明かしつつ、「心配を掛けて申し訳ないという気持ちと、感謝の気持ちを伝えたい」と話した。

体の状態について「四肢まひで胸から下の感覚はない」としたが、現在もリハビリを続け、左肩を動かせるまでになった。メディア出演に対する賛否の声を理解した上で「今できることを追求するのが自分自身の力になる。僕を通して何か感じていただけると思った」。また「僕と同じように、苦難を抱えている方にぜひ読んでもらいたい」と語った。パラスポーツを扱うニュース番組のMCを務めており、今後の活動についても「2020年になったので、パラリンピックに関するお仕事をさせていただきたい」と意欲的だった。

小泉進次郎環境相の妻で、現在第1子妊娠中のフリーアナウンサー滝川クリステル(42)はいとこに当たる。著作はまだ渡せていないといい、「ぜひ読んでいただきたい」と話した。